口臭について(3)
医科領域と関係の有る口臭として一番関連性の高い口臭原因疾患は、耳鼻咽喉科領域の疾病です。鼻炎、副鼻腔炎、咽頭・喉頭炎などがあると口臭の原因となります。これらは口腔領域の炎症と同様に、細菌によって蛋白質を分解する過程に発生する揮発性硫化物(VSC)が原因です。
内科的疾患においては、糖尿病によるアセトン臭、肝疾患によるアミン臭、腎疾患によるアンモニア臭が有名です。胃癌の末期を除き、直接胃から臭気が上昇し口臭となることは稀であるとされてきましたが、胃十二指腸潰瘍の原因菌として有名なピロリ菌(Helicobacter pylori )に感染していると、血中のウレアーゼ濃度の上昇から呼気中にその臭気が含まれ、口臭の原因となる可能性も分ってきました。
また食物の摂取の偏りや老化などから、腸内細菌叢に変化が起こり有害菌が優位になると、アミン類、アンモニア、硫化水素、インドール、スカトールなどの悪臭原因物質が産生され、呼気中にもその一部が排出されことから、便秘が口臭の原因となる場合も考えられます。この辺りは私が提唱する
「口腸免疫健康法」(2003年11月)を参考にされてください。
また一旦生体にストレスが掛かれば、唾液の分泌量低下や唾液の性状の変化が起こり、口臭の原因となることは先に述べましたとうりです。まさに「固唾を呑む」状態は生体にストレスが掛かった状態をあらわしており、口臭の原因の一つとして、最近脚光を浴びている要因です。