口臭について(1)
2008.8.1
近年、口臭を主訴に歯科医院に来院する患者は少なくありません。2001年歯磨剤メーカーで有名なライオンが、東京のビジネスマンを調査したデーターでは、全体の70%が口臭が気になると回答したと言います。また平成11年の厚生省保健福祉動向調査によると、日本人全体の14%が口臭が気になると回答を寄せたとのことです。
そもそも人間は有機体が集合した動物である以上、身体から発する「匂い」があって当たり前であると考えます。しかし他人に不快感を与える場合は「臭い」となり、それが口腔由来の場合は口臭となります。しかし匂い(臭い)があってもその判断基準には個人差があり、それを客観的に判断することは困難なことです。また他人が不快と感じない場合であっても、自分の臭いに異常なまでに執着し、臭いがあるものと一人で思い込んでしまう、いわゆる自嗅症の患者さんもいることから、臭気を正確に測定し客観的に診断することが重要なこととなります。当院では口臭チェッカーを応用しています。
また口臭は多くの場合、歯科口腔領域の疾病の一つの症状として出ることが多いため、口臭治療に際してはまず歯科医師が担当すべきであると考えています。歯科領域で改善しない場合は、他科(内科、消化器科、神経科、心療内科)を紹介することがあります。