欧州の自然療法併用医療機関研修記(番外編)~バド・ガシュタイン坑道浴3~
いよいよ坑道に入る時間が来ました。坑道に入るには1車両4人乗りの小さなトロッコに乗っていきます。先頭部には3両のベッド型トロッコがあり通常に座れないほどの重篤(?)な患者さんが横たわっています。その車両の後に連結されているのが15~6両の普通のトロッコで、三々五々坑道入浴者が座っていきます。
私は家内と二人が座れる場所を探しトロッコに乗り込みました。我々は体験入坑ということで最後に降りるステーション1(ループ状)でしたが、途中温度・湿度が異なるステーションが3つあり、入坑回数・症状に応じて患者さんが下車していきました。最終ステーションまでだいたい15分程でしょうか、最初は気温・湿度とも変化がなかったのですが、だんだんと気温が上がり息苦しくなってきました。
最終ステーションに到着すると、男女別々の坑道に入ります。男性用はおよそ奥行き30メートル程でほんのりと明るく両サイドに木のベットが縦向きに並んでいます。入坑時に渡されたバスタオルをベッドに敷き、水着を脱いでスッポンポンになり横たわります。誰も一言も発せず軽い寝息と咳払いだけが聞こえてきます。
40分間の坑道浴のうち最初の30分は殆ど何も感じませんでしたが、最後の10分になると滝のように汗が出てきました。ただ感覚としてはサウナの様な汗でなく比較的サラサラとした感じでした。時間が来ると合図があり人々は起き上がり、脱いだものを再び身に着け、坑道を出て迎えのトロッコに乗り込みます。入るときには感じなかったトロッコ車両の空いた窓から入る風のなんと涼しいことか。着ているガウンは汗で重くなっているのが分かります。そしておよそ10分ほどで元の坑道入り口に着きました。
(写真上は坑道へ向かう線路)
(写真下は中一商店HPから頂いた坑道浴の風景)