欧州の自然療法併用医療機関研修記(番外編)~バド・ガシュタイン坑道浴総括~
(写真上は病院入り口前にそびえる山)
たった1回だけの体験入坑ではすべてを知る由もなく多くは語れませんが、やはり過去の研修で体験したオーストリアやドイツ、チェコにあるラドン治療のための施設の中では、入浴や飲泉と違いトロッコを使った坑道浴は非常に珍しい体験となりました。これらは実際のところそれなりの歴史があり、国の認可を受け民間であっても保険適用が受けられる施設であり、効能効果が認められているからこそ現在においても老若男女で賑わっているのだと思います。しかし今回や昨年の研修旅行で訪れたこれ以外の施設(ドイツではザンクトブラジエンのラドンリバイタルバド、バートブランバッハ、チェコではヤーヒモフラドン温泉病院)に来訪する、主に年老いた人々を見るにつけ、温泉治療の前にやるべきことは「まずダイエットでしょう」と言いたくなるような一様に同じ体形でした。上半身の肥満体形に比べ下半身は細くヨタヨタ歩く姿は、普段の食生活や飲酒(ビールやワイン)に原因があるのではと考えたくなります。
(写真中は病院を訪れた患者さんの国々の国旗)
ただ日本と違い肥沃な土地ではないヨーロッパのある地域によっては、新鮮野菜はなかなか採れず肉・乳製品・ジャガイモ中心の食生活にならざるを得ず、和食と比べて野菜が少ないのは仕方がないのかも知れません。ヨーロッパにおいてレストランやホテルでの外食と家庭料理では自ずと食事の内容が違うのかもしれませんが、1週間近くホテルに滞在しすべて外食をせざるを得ない体験を踏まえると、己の排泄状態(枇榔な話ですが野菜中心の日本での食事の時と違い、たった1週間でも旅行中の大便の匂いと性状が変わります)から、食生活が健康に大いに関わるのだという事実を再認識することになりました。いわゆる「地産地消」はその地域の気候や土地の特性により内容が異なるので一概に言えませんが、ヨーロッパでは普段の食生活により肥満を招き次いで膝の関節障害が起こり、その結果それを癒す施設が発展してきたのではないかと思われます。蛇足ですが欧州の喫煙事情はアメリカやカナダ、日本とは違い、かなりの方が愛煙家であるようです。長年の喫煙で下肢の血行障害が起こることも、歩行障害を引き起こす遠因ではないでしょうか?