歯周病と心臓病の関係
2007.6.1
奥田克爾東京歯科大学微生物学教授は、大和成和病院心臓病センターの南淵明宏医師らと共同で、心臓の冠状動脈疾患部位あるいはその原因となっている血管内壁プラークに、歯周病原性細菌のDNAが発見できるかどうか調査しました。その結果、歯周病原性細菌であるProphyromonas gingivalisならびにCampylobacter rectus が、患者さんのの歯肉からと冠状動脈疾患部位からの検出率が高いことが明らかになりました。また歯周ポケットの深い患者さんほど、歯周病原性細菌の検出率が高いことも分りました。
また別の疫学的調査では、細菌性心内膜炎患者の13.7%が発症の3ヶ月以内に歯科治療を受けており、これら患者さんの90%は抗生剤の予防投与を受けていなかったとの報告もあります。
2003年に日本循環器学会をはじめとした合同研究班により出された、『感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン3)』(JCS2003)にもとづき提案された歯科治療カードというものがあります。
今後実際に緊急の歯科治療の必要性があるなしに関わらず、
心臓病をお持ちの歯科の患者さんは、上記カードを掛かりつけの内科医(循環器系医師)に発行していただき、担当歯科医にご提示いただくと宜しいと思われます。