口腔内細菌の影響|西新宿で東洋医学・小児歯科・統合医療による歯科治療を行なう小野田歯科医院

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健康ブログBLOG

口腔内細菌の影響

2006.12.1

ヒトの口腔内からは、500種類を超える細菌種が存在し、腸内と同じく口腔内フローラ(細菌叢)を形成しています。前回述べたように、歯周病原性細菌が全身の健康に悪影響を及ぼすという事実は、臨床データや疫学的調査、動物実験からも裏づけられてきています。歯周病原性細菌は血管上皮細胞に簡単に侵入出来、その上皮細胞を破壊し動脈硬化を引き起こし、心冠状動脈狭窄部位や血管内壁プラークからも検出されます。実際に高脂肪食を与えたマウスに歯周病菌を感染させると、動脈硬化が促進されることが明らかにされています。

歯周ポケット内の嫌気性菌は、誤嚥性肺炎の主な原因であると同時に、口臭の主な原因であることも分かってきました。また歯周ポケット内の嫌気性グラム陰性菌の産生する内毒素は、副腎皮質ホルモン分泌を促進して内因性発熱因子を刺激し、発熱をもたらすことも示されました。歯周病原性細菌を含めた口腔内細菌の減少をもたらす継続的な口腔清掃は、要介護高齢者の肺炎を予防し発熱を抑えることにつながります。

以前私の患者さんである60歳代の男性が解離性大動脈瘤破裂で入院し、長時間の手術の結果奇跡的に回復したのですが、療養を継続中(入院中)残念なことに医師・看護師などの医療スタッフの口腔ケアへの重要性の認識が低く、結果的に誤嚥性肺炎が原因で亡くなったことがありました。その病院には歯科が併設されていなかったことが災いしたのです。このことから病院歯科のみならず、自宅にて療養中の脳血管系障害の在宅患者も、かかりつけ医師とともにかかりつけ歯科医師も参加し、患者管理を共同で行うことが患者のQOLの向上につながると言えるでしょう。

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