健康日本21と歯科のかかわり
2006.10.1
「健康日本21」は21世紀における国民の健康増進運動として、厚生労働省が提唱し2000年から10ヵ年の期間をかけて行われるプログラムです。この運動の目的は、①壮年期死亡の減少、②健康寿命の延長、③生活習慣病を予防しQOLの向上を図る、という3項目で、9分野70項目100の指標が設定されており、当然のことながら歯科保健分野の項目も含まれます。
霊長類である人間にとって歯と口腔の果たす役割は、生命維持に必要な機能性(咀嚼・摂食・嚥下・呼吸)だけでなく、顔貌が果たす自己及び他人に与える心理的要因にも関係します。
このような観点から、口腔の健康を守ることは、口腔を包括する身体の健康をも維持させることになり、高齢者のみならず健康な方にとっても、適切な口腔ケアはQOLの向上を図るために、極めて重要なこととなります。したがって我々歯科医師は、口腔の健康に影響を及ぼす現代人の宿命とも言うべき生活習慣病に対して、様々な知識を有した上で対応し、積極的に医師との連携を進めていく必要があります。
もうそろそろ、歯科(口腔)と医科(全身)は別物であるという古い固定観念を捨てましょう。