歯科からの情報発信
最近のマスコミ、特にテレビメディアでは、『思いっきりテレビ』や『あるある大事典』などの各種健康情報番組がお茶の間で高視聴率をあげ、そこで取り上げられた食品をはじめとする健康に良いとされるものが、放送された直後から店頭から消えてしまうということも実際に起こっています。
また出版業界では健康関連本は、はずれのないネタものと位置づけられており、各種健康雑誌が書店の店頭にならんでいます。それらの情報の中には、必ずしも医学的にみて適当ではないものも含まれているようですが、少なくとも国民の方が健康に対する情報を欲しているということは、疑う余地もありません。
ある大手コンビニエンスストアーは、同業他社との差別化戦略として、『物を売ることから情報を提供し、店まで足を運んでもらうこと』という理念を立ち上げ、この不況の中で業績を伸ばしたそうです。店に人が集まればおのずと物が売れる、というわけです。確かに物販と医療は本質的に異なりますが、物を売ることを歯科治療に置き換えたとき、これを言下に否定したのでは歯科医療界は従前と変わらいでしょう。
歯科医学、歯科医術の主役は歯科医師ですが、歯科医療の主役は患者さんでなければなりません。時代のニーズを読み、歯科医院を国民の皆さんの対する健康情報発信ステーションとするように心がけることこそ、今必要とされていることではないでしょうか。そのような観点から、医師、薬剤師、その他医療関係者、さらには異業種との交流も積極的に行い、歯科情報を発信していきたいと考えます。