JACTでの発表から
【方法】1993年シェーグレン症候群ヨーロッパ診断基準から外れる、口腔乾燥を主訴とした6例ならびに唾液分泌が減少していると思われる患者4例に対し、事前に口腔内症状のアンケートを実施しならびに口腔水分計(モイスチャーチェッカー・ムーカス)を用いて口腔内水分量の計測を行いました。次にBFを配合するサプリメントである「生源ゴールド」(㈱エイ・エル・エイ)を1日3本(4.5g)飲用させ、またBF配合の歯磨剤である「BFデンタルジェル」(㈱ディー・シー・エス)を使用して1日3回歯磨きをしてもらい、4週間後の効果のそれぞれの判定を行いました。
【結果と考察】全10症例の内訳は男性3例、女性7例で口腔乾燥の患者は女性に多く見られました。また年齢は35歳~87歳と年齢分布は広い範囲に渡りましたが、殆ど中高年に多くみられました。4週間後のアンケートでは口腔乾燥を主訴とした6例中5例が症状の改善が見られたと答え、同時に口腔内水分計測においても6例中4例が乾燥判定から境界値を超え正常値に近づきました。また口腔乾燥を主訴としない4例についても、視診で明らかな唾液による湿潤を認め、口腔内水分計測においても症状の改善が見られました。歯磨剤であるBFデンタルジェルの配合主成分はBFだけではなく、ギリシャのヒオス島に自生する潅木の樹液で古代より口腔環境改善に応用されているマスティックをも含んでいます。BFの飲用が内因的に作用し唾液分泌が促進されただけでなく、BFとマスティックの両者が外因的に作用したものと考えられます。更にBFの飲用で唾液中のストレスホルモンが軽減するという、ALA中央研究所の基礎研究を裏づけるものです。(歯牙が1本も無い無歯顎の患者1例は、歯磨剤の使用は行いませんでした。)
【結論】乳酸菌の混合培養で得られた発酵生産物であるBFは、自律神経失調を改善し唾液分泌を促進させ口腔内の環境を改善させたことから、口腔乾燥症(ドライマウス)のサプリメントとして有用と思われます。