代替・統合医療の確実な息吹(3)
代替・統合医療が日本でも少しづつ認識されるようになって来ました。そのような中、私は昨年12月9日~11日に京都大学100周年記念ホールにおいて開催された、第9回日本代替・相補・伝統医療連合会議(JACT)ならびに第5回日本統合医療学会(JIM)の合同大会で、「口腔乾燥症(ドライマウス)へのバイオファーメンティクスの応用」と題した発表を行いました。
現代人は地球温暖化の影響からか。身体が乾いてきているといわれます。誕生すぐの赤ちゃんは生体内水分量が77%であったものが、成人男子では60%、女子では56%、そして死亡時の水分量は50%に減少するとも言われております。従って基本的には人間は生きている限り乾燥との戦いと言えます。
また特に最近では地球温暖化の影響もあるでしょうが、テレビではいわゆる乾燥肌を解消するような化粧品のCMが流れていますし、またパソコンの普及によりVDT症候群が増え、ドライアイと呼ばれる目の乾燥を訴える方が非常に増えています。我々歯科領域においても口腔内の乾燥を訴える患者さんが多く来院され、ドライマウスという言葉が一人歩きしている感さえあります。
2002年12月の当院HP健康ニュースにも書きましたが、最近増えつつあるドライマウスの原因として、口呼吸による唾液の蒸散から来るドライマウスのほか、ストレス性のドライマウスが大変増えております。現代社会に歪みが生じた結果人間はストレスを感じ、唾液の分泌が抑制されてしまうことによるものです。我が国で40~50万人が存在すると言われているシェーグレン症候群では、ドライアイやドライマウスを主症状としています。しかし実際に歯科医を訪れる口腔乾燥を主訴とする患者、及び本人の自覚は無いが口腔乾燥症を疑う患者さんは、シェーグレン症候群の患者数をはるかに上回ります。今発表ではシェーグレン症候群と診断されなかった患者さん10名に対し、バイオファーメンティクス(BF)の効果を判定しました。