代替・統合医療の確実な息吹(1)
昨年12月9日~11日、京都大学100周年記念ホールにて、第9回日本代替・相補・伝統医療連合会議(JACT)ならびに第5回日本統合医療学会(JIM)の合同大会が開催されました。このような合同大会形式は始めてと言うこともあり、多くの参加者が京都大学に集まりました。私も演題を1題発表しました。
私の所属するJACTの理事長である渥美和彦先生は、1954年東京大学医学部卒業後心臓外科を専攻され、1967年同大学教授に就任後1989年に退官するまで、人工心肺装置を開発するなど西洋医学一辺倒でこられた方です。その後日本学術会議会員にもなられましたが、ご自分が長年取り組まれた西洋医学に限界を感じ、東洋医学をはじめとした代替医療への道を模索されました。現在JACT、JIMの両方の理事長を務めておられます。
今回の合同大会の市民公開講座では、渥美先生は以下のように述べられました。
『近代西洋医学は、身体を臓器から細胞、たんぱく質、分子と科学的な方法を用いて細分化する要素還元主義に徹したために、生体を分子レべルで解析しその結果分子生物学、遺伝子学分子医学など多岐にわたって成果を挙げることが出来ました。しかし生体はきわめて複雑なシステムであり、身体のみならず精神あるいは社会を包括し、全体として捉えるべきものです。そこで解析は文化のみでは充分でなく、総合的に行われることを必要とします。』