デトックス(1)
デトックスという言葉が今巷をにぎわしています。この意味は解毒という意味で、体内の老廃物や有害物質などの身体に害をなす物質を体外に排出する、という意味です。もともと東洋医学ではこのような考え方は一般的です。中国医学では体内に邪毒(気)がはびこると病気になるという考え方があり、治療や養生のために様々な療法で毒素を排出させます。
例えば体内に『水』が停滞した状態の『水毒』という言葉が有名です。
またアーユルベーダといわれるインド医学でも、基本的な考えは体内浄化です。さらに今NHKテレビで放映中の『チャングムの誓い』で有名な韓国医学でも、治療のため健康維持のために解毒するという概念は一般的なものとなっていますし、実際にそのようなシーンが出てきました。ある意味『汗蒸幕(はんじゅんまく)』と呼ばれる韓国のサウナも、健康維持や疲労回復のための解毒に基づくものでしょう。また東洋医学ではありませんが最近アメリカで評判の『キレート療法(キレーション)』は、水銀などの重金属や、残留農薬、食品添加物などの有害物質を薬剤を使用して体外に排出させる治療法ですから、デトックスと同じ意味になります。
しかし『余分なものを排出する』ことばかり注目されていますが、これと相対して東洋医学では『足りないものを補う』ことも重要な治療法となります。ここで『足りないものを補う』という言葉で気がつくことはないでしょうか?そうです、体にとって足りないものを補うこと、すなわちサプリメントのことです。つまり人は何か足りなかったり、多すぎた場合に病気になるのです。ここのところ『サプリメント』の次に『デトックス』が注目されているのは、バブルの後の飽食のつけでたまった毒素を排出するということになるのでしょうか?人も社会も地球環境も、普遍の原理で動いているのですね。