食育から知育・徳育・体育を考える ①
現在の日本は、高カロリーのファーストフードや偏った食事などの食生活の乱れに加え、現代特有のストレスに囲まれた生活などから、肥満や生活習慣病としてメタボリックシンドロームを引き起こす成人が増えています。ですから㈱タニタの社員食堂のヘルシーメニューが世間の注目を集めているのも尤もなことといえるでしょう。
しかし肥満などの生活習慣病は、大人になってからの食習慣等の生活環境だけに原因があるのではなく、実は哺乳期から離乳期を経て学童期から青年期に至るまでの間の、歯と口の健康管理ならびにそれに伴う食生活に根本原因があるとされています。発育期の口の健康管理が悪いと、成人になってから生活習慣病を引き起こす原因となるばかりか、学童期から青年期においては情緒不安定や集中力低下を招き、学力が向上せずまた同時に体力も低下することになりますから、お子さんの保護者の方も心配なことでしょう。
少子化の今長い受験戦争を勝ち抜くためには、知力に加え体力も加えた文武両道が必要となります。実際に、毎年東大の合格者数一、二を争う東京の私立高校の生徒たちの大半は、親や歯科医による幼児期からの口腔管理によって虫歯の無い良い噛み合わせをしており、心身ともに健康であると聞きます。これまでの誤った歯と口の健康感を改め、家庭で出来る正しい口腔管理を実践することが、心身ともに健康で賢い子供を育てる方法ではないかと考えます。歯科医から見た子育ての方法について述べてみたいと思います。