上手な歯科医院のかかり方(6)
【再診診療編】
初診後2回目以降に受診することを『再診』といいます。再診の際には診療が始まる前に歯科医に、前回の処置後の症状の変化を述べてください。もちろんご自分で説明をするきっかけがつかめない方(歯科医院に不慣れでなじんでいない方、歯科恐怖症の方に多く見られます)には、私は挨拶から始まり、①前回はどのような内容の処置を行ったか、②その結果どのようなことが起こる可能性があったか、③現在の状態はどのようか、④本日はどのような処置を行うか、⑤本日の治療の結果次回来院までに起こる症状、などを患者さんにお話してから、当日の治療に入ります。その際に患者さんも上記の質問に対して的確にお答えいただくと、治療方針を決定する上で大変参考になりますので、遠慮なさらずどしどし発言をしてください。
また義歯の治療でよくあるのですが、新しく義歯を入れた後に最初のうちは痛くて、安定しなくて、噛めないことがよくあります。例えば前回の治療で右の奥のほうが痛いという訴えで、義歯の粘膜部分(歯肉に接する部分)の該当する部分を削って調整したとしましょう。次回来院されたときには我々歯科医は、前回処置をしたところがどうであったか(処置が適正であったかどうか)を知りたいものなのです。ところが前回のことには一切触れず、今日は此処が痛いということのみ発言する患者さんがおります。此処が痛いんだという患者さんの気持ちはよくわかるのですが、このような時には前回の処置(調整)で症状が良くなったのか、変わらないのか、はたまたかえってひどくなったのかを必ず歯科医に伝えるようにしましょう。その上で別な問題が新たに発生した場合は、その旨を伝えてください。つまりトラブルにはすべて関連があるからです。ひとつの問題に対しその評価をしないうえで次の問題に取り掛かったのでは、堂々巡りでいつまでたっても問題は解決しません。