上手な歯科医院のかかり方(3)
【予約制について(3)】
最も困るのが完全時間予約制の歯科医院に、時間にルーズでなおかつ社会通念上常識に欠ける方が患者として通院された場合です。2月と3月にも述べましたが、本当の完全時間予約制(本当の時間予約制かどうかは数回の通院で判ります)であれば、指定されて時間は予約された患者さんのために空けて準備をしている時間となります。まして完全時間予約制で一口腔単位に診療を行う時は、我々は30分以上、時に1時間から2時間の治療時間をそれに当てます。もちろん必ず来院された患者さんには初診時に説明しておりますし、治療の進展具合によっては毎回治療時間が異なりますから、長時間の治療を必要とする場合には必ずその前の治療時に、次回はかくかくしかじかで時間がかかりますのでよろしくお願いします、と注意を喚起します。以前にも述べましたがやむをえない事情というのは人それぞれあり、それがたまたま治療予約時間に重なった場合には仕方がありません。ただやむをえない事情でキャンセルもしくは変更というのは、頻繁にあることではないはずです。頻繁にキャンセルや時間の変更をされる患者さんは、医者と患者双方の合意の上で治療をしましょうという約束を軽く見ていることに他なりません。
もちろん我々サイドにも問題がある場合があります。時間予約とうたっていてもその時間には見てもらえない、完全時間予約制ではない場合は、患者さんもどうせ待たされるのだから、遅れたって良いだろう、と約束を軽く見がちです。ですから患者さんに時間の正確性を求めるのであれば、まず歯科医院側もそのようにしないといけないでしょう。医療というのは医師・患者両者の合意の上、病に立ち向かうものです。治療に対する姿勢が双方同じであって初めてよい結果が生まれます。また無断キャンセルは言うまでもありません。どうか遅れる場合や来られない場合、あらかじめ連絡をお願いします。その時間を希望している方がいらしても、予約が入っているからとお断りした際に、実際はその時間に予約の患者さんがお見えにならない時ほど、ショックは大きいものです。医院の心理的・経済的ダメージが大きくなります。そして最後に、何の連絡も無く大幅に遅れていらした時に、「どうして見てもらえないのか」と受付で声高に言う、非常識はどうぞおやめください。