今年こそ『養生』を取り入れよう!
現代人を取り巻くさまざまな環境のせいで、最近『半病人』あるいは『半健康人』と呼ばれる人たちが増えています。はっきりとした病名は付かないけれど、常に心身の状態がいまいちスッキリしない、と訴える人々です。このような人々が医療機関や人間ドックに行き、さまざまな検査を受けても「数値の上からはとりたてて異常はありません」と言われてしまいます。しかし例えば検査データが正常な範囲に入っていても、ギリギリのところにあるとしたら、本当に健康な人と同じ考えで日常を過ごして良いのでしょうか?将来の病気を恐れて薬を飲むのもひとつの方法かもしれません。ですが薬の副作用(薬害)はどうでしょうか?これは大変怖いものです。
ここで登場する概念が、東洋医学的思考の『養生』です。つまり半病人・半健康人であるということを『未病』と捉え、養生を日常生活に取り入れることこそ現代人の取るべき道です。養生の種類には以下の五つがあります。①呼吸や動作・衣食住など体に良い行動に伴う一切の養生である『行養生』、②感情のコントロールや情報の過多に注意する『情感養生』、③友好な人間関係を築いて人徳を養う『徳養生』、④地球という生態系の一員であることを意識する『環境(エコ)養生』、⑤この世に生まれそしてやがて死を迎える意味を自らに問う『死生養生』。
人間は有機体であり、生まれてから死ぬまでのライフステージの中には、守るべき規範、したがうべき行動指針、生活の知恵があり、それをまとめたものが『養生』なのです。親から子、子から孫と代々伝えられた一種の健康文化が養生であり、養生で賄いきれないものは伝承医学で治療を施すというシステムこそ21世紀の健康法です。このシステムは『自然治癒力』に基づくものであり、代替医療と呼ばれています。