枕難民のあなたへ~歯科医からの提案①~
太古の昔人間が二足歩行を始めて以来、地球の重力に拮抗して重い頭部を支えるために、頚椎・脊椎・腰椎には常に過大な負担が掛かってきました。特にデスクワークの多い現代人は普段の運動不足が加わって、心身のストレスと共に身体の「よじれ」が各種疾病の原因となる要素を持つようになっています。
人生の三分の一は睡眠だとも言われていますが、良質な睡眠を得るために脊椎に掛かる負担を減らし、睡眠時の姿勢を楽にすることは必要であり、そのためは身体に合った枕を使用することが重要となります。当院では顎関節症や歯軋り・喰いしばりなどの噛み合わせに問題のある方や、イビキなどの睡眠時無呼吸症候群患者さんのみならず、噛み合わせに問題のない患者さんにまで健康維持を目的として、身体にあった枕の使用を指導しています。それは良質な睡眠が身体の免疫機能をアップさせる、という基本的概念が存在するからです。古くから「医食同源」と言う言葉がありますが、食べることと同じように睡眠も大事ですから「医寝同源」とも言えるでしょう。
当院が推奨する枕は㈱プレジール(眠り製作所 http://www.plaisir-ltd.co.jp)
のエアサポートシステム「レ・ムール」です。枕は4つのユニットから構成され、頸を支える部分にはエアポンプが内蔵されています。枕の上に頭を載せ、エアポンプで少し高いかなと感じるまで空気をいれてから、徐々に空気を抜き咽頭・喉頭が閉じないような位置で首が楽な高さをキープします。こうすることで首から腰までの体軸(脊椎)が一直線になり、枕が頭と肩と背中の三点で支えることが出来るようになります。この枕を使えば仰向けになった時、喉や首筋に圧迫感が無く、後頭部から肩にかけて力が抜けて軽い感じがし、そのためイビキを掻くことが少なくなるでしょう。