歯周病と糖尿病の切っても切れない関係について
当院HPの2007年8月健康ブログ「歯周病原性細菌が産生する内毒素由来の疾患」にも触れていますが、2011年06月22日、NHK「ためしてガッテン」にて、「免疫力を低下・突然死を招く感染症」と題して、歯周病と糖尿病の関係について放映されましたので、ご覧になった方が多いかと思います。翌日以降暫くあのテレビを見たと言う来院された患者さんからの質問が相次ぎ、あらためてテレビの影響を知らされました。当院ではHP以外に待合室に患者さん用に健康情報をまとめたパンフレットがおいてありますのでお読みください。
糖尿病はすい臓から出るインスリンの作用が正常に働かなくなった結果、食べ物に含まれるブドウ糖が体内に入りエネルギーとなるシステムが上手く作用せず、血液中のブドウ糖(血糖)が余り、数値(血糖値)が高くなった状態を言います。このような状態が続くと合併症として、網膜症、神経障害、腎症、動脈硬化、そして歯周病が起こります。歯周病の人は血糖値の目安であるヘモグロビンA1c(HbA1c)が高目もしくは高く、歯科で歯周病をコントロール出来るとHbA1cが下がり、内科で糖尿がコントロール出来ると、歯周病も落ち着くという相関関係があります。従って既に糖尿病と診断されている方、また健康診断や成人健診で糖尿病の一歩手前と言われている方(5.8~6.5未満)、また運動不足で肥満傾向がある方は必ず歯周病のメンテナンスならびに治療が必ず必要となります。
また今までに1回も血液検査を含む健診を受けていない方で、なかなか歯周病の病状が安定しない方は、糖尿病もしくはその予備軍の可能性がありますので、お近くの内科等で血液検査を受けられることをお勧めしております。