(番外編)大規模震災の際の歯科的留意点その1
このたび発生しました東北地方太平洋沖地震および津波により被災された方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。
昨年9月1日に行われた防災訓練に絡み9月のブログの番外編にも「災害と歯科医療」と題して書きましたが、災害時に歯科医の果たす役割は大きく分けて二つあります。第一には身元不明者の個人識別、第二に避難された方々に対する歯科的二次医療支援です。今回は大規模災害時の歯科的留意点について述べてみたいと思います。
避難所等に収容された方の中には文字通り着の身着のまま避難された方がおり、その中には入れ歯を紛失されたり、破折・破損された方も大勢いらっしゃいます。ご高齢の方々にとっては入れ歯が無ければ食物を摂ることもままなりません。またライフラインの復旧までの間は、乾パンなどの加工されていない食物を摂るしかなく、入れ歯が無ければ折角助かっても長い避難生活の中で、徐々に身体が衰弱することになります。従って特に噛み合わせ等の関係で夜間就寝時に義歯を装着したままで良いという指示を受けた方以外は、就寝時には義歯をはずし義歯洗浄剤に漬けた容器を枕元に置き、いつでも義歯を手元において置けるようにした方が良いかと思います。お休みになるところと義歯の保管場所(通常は洗面所やキッチンなど)は近い方が望ましいと思いますので、早速実行されてください。