食育から知育・徳育・体育を考える 最終編
2012.10.6
いわゆるひとりで食べる「個食」や、「早くしなさい!」とばかり親の都合で食事を急がせること、テレビを見ながら食事をすることなどに起因する、食事の際の子どもたちの姿勢の悪さは、幼児から学童期の噛む力を育むことをことのほか脅かします。また咬合力が付かない直接的な原因には、食事の際のテーブルと椅子の関係も見過ごせません。足をブランブランさせながら食べるより、専用の子供椅子を使ったり、足乗せ台で補正をすると、噛む力(咬合力)が上がるというデータもあります。同時に集中力も上がるというデータもあります。
食品の中に閉じ込められた味のエッセンスカプセルを、上下の歯で磨り潰して味わうためには、咀嚼筋を総動員しなければなりません。その咀嚼運動を行うためには、頭蓋部や上半身を支える筋肉が必要です。従ってテレビゲーム等の身体を使った遊びでなく、日頃から身体を使った遊びで全身を鍛える必要があります。
事実食べることに貪欲な子どもは、そうでない子に比べ身体能力に優れ、外遊びが好きで、姿勢がよく、歯並びが良いという結果が出ています。また生活にメリハリがあり、集中力があり、聞き分けも良いという点もあることから、食育と、知育・徳育・体育が密接に関連するということを証明しています。