歯科におけるサウンドテラピー
当院では、所有する音楽療法用CDおよそ200枚の中から季節毎に選んだものを、パイオニア社製25連奏のCDチェンジャーをBOSE社製AWM(Acoustic Wave Music System)に接続して流しています。ただし歯科恐怖症の患者さんや心身症あるいはハンディキャップのある方のような、個々の特別な対応が必要とされる患者さんには、これとは別にBOSE社のノイズキャンセリングヘッドフォンであるクワイエットコンフォートを個別に使用してもらい治療をしています。
歯科医院におけるBGMは、診療の際のタービンなどの切削器具が発する不快音を相殺するマスキング効果のみとの説もありますが、私はそれ以外にも下記の理由で音楽療法を応用しています。①まず第一に歯科医師を含めたスタッフに癒しの効果が期待できること=患者さんが診療室に留まるのはせいぜい1時間ですが、スタッフは朝から晩まで診療に従事しています。ストレスの掛かる医療従事者として、常に患者さんに心からの笑顔を出すためには、スタッフがまず癒しの場にいなくてはならない、と私は考えています。また後述のように歯科医師やスタッフが、流れている音楽に沿って深い呼吸をしていると自然と診療室の中が和み、患者さんも同じ波動の中に入ることができ、治療効果が高まるとも考えているからです。②他の療法、例えば芳香療法や絵画療法とのコラボレートすることにより、相乗効果が期待できること=歯科診療室では芳香療法(嗅覚)、音楽療法(聴覚)、絵画療法(視覚)の三種が組み合わさることにより、それぞれの効果が高まり癒しの場が提供できると考えています。③呼吸法のガイドとなること=痛みや不安の付きまとう歯科治療に際し、当院では気功を応用した呼吸法も患者に指導しています。患者さんには静気功を応用した『気の呼吸法』を指導し、その際に深い呼吸をしやすくするために音楽を用いています。1/fの揺らぎのあるストリングスを中心とした下記のようなCDが、尤も深い呼吸を行えるようです。● YO-YO MA Plays ENNIO MORICONE ● 遥FARAWAY JIA PENG FANG ● パガニーニの主題による狂詩曲(ラプソディー)第15変奏 などは季節に関係なく使用しています。