食・呼吸・睡眠 その2
以前のブログにも書きましたが、私の30数年の歯科臨床を通じて見つけ出した口腔を通して全身の健康を考えるための口腔を取り巻く要素である「食・呼吸・睡眠」という3つのキーワードは、それぞれがすべてにおいて密接な相関関係にあります。それをより分かりやすく図式化したものを当院HP「いきいき健口術」に載せています。美味しいものを食べたときの幸せを表すものに「口福」という言葉がありますが、転じてこれは口を健康にすると幸福になれる、すなわち「健口」につながることと解釈できます。今回からこの3つのキーワードを解説していきます。
第一のキーワードである「食」はまず腸内環境を改善することです。腸内環境が良好になればIg-A抗体が増え、免疫力が向上することでアンチエイジングにつながります。またよく噛むためには鼻呼吸が必須であり、よく噛むことで唾液が増え過食を防ぎダイエットにもなることで、アンチエイジングにもつながります。トリプトファンという必須アミノ酸を含むたんぱく質を多く含む赤身の魚や肉類、乳製品を適量取れば、セロトニンが増えます。セロトニンは、睡眠ホルモンであるメラトニンと相対する性質があります。セロトニンは脳の覚醒を促し、メラトニンは睡眠に作用します。メラトニンが分泌している間(夜間)はセロトニンの分泌は少なく、逆にセロトニンが多く分泌されている間(日中)はメラトニンの分泌は少なくなります。メラトニンが増えることで良質な睡眠をとることができます。来月は第二のキーワードである「呼吸」を解説します。