口中調味~三角食べ
先月のブログで普段の日常食としての日本食の食べ方に「口中調味」というのがあると書きました。それに関連する食べる行為として「三角食べ」というのがあります。三角食べとは主食(ごはん)、副菜(おかず)、汁物を順番に食べていく方法です。これは以前学校給食の中で推奨された食べ方ですが、しかし管理教育的要素が強い為現在では「バランスよく食べましょう」的な指導で終わっています。
食事のとり方や内容は、学校給食(幼稚園、保育園も含む)か家庭での食事かどうかや年齢によっても変わってきます。乳幼児から学童にかけては味覚が発達する途上にあるため、個々の味を味わったうえで口の中で調味する「口中調味」は、大人の味覚(五味=甘い・酸っぱい、塩っぱい、辛い、苦い)の階段を上る為には必要なことかも知れません。反面、ロクに咀嚼もしないで汁物でご飯やおかずを胃に流し込むという行為を助長してしまう可能性があります。さらにこの食べ方は満腹中枢を刺激することなく食べ続けることが出来るため、血糖値の上昇を引き起こしメタボリックシンドロームの予備軍を育てる可能性があります。また口中調味を前提とした味の濃いおかずを食べることにより、塩分過剰になる恐れもあります。
三角食べとは違った食事法として、まず副菜として野菜や海草類などのサラダを摂取し、次に肉や魚などのタンパク質を、最後にご飯などの炭水化物を取り血糖値の上昇を抑えるという方法があります。これは口中調味が出来、体の成長が止まった中年期以降の方には有効かと思いますが、食事の時間特に夕食の時間帯が遅くすぐに寝る場合には、体に負担が掛かります。また夕食の際ご飯を食べずお酒のつまみとして副菜(おかず)のみ取る場合には、ごはんのおかずとしては確実に塩分過剰となるでしょう。