ゴルフと噛み合わせ(2)
先月のブログで最も生理的かつ安定的に咬合機能が発揮できる噛み合わせの重心位置は、上顎第二小臼歯及び第一大臼歯の間にあり、その咬合接触が無かったりまた接触異常が有ったりすると、顔面頭頸部の異常のみならず全身に悪影響を及ぼす、というオクルーザルパワーゾーン(咬合重心)理論を述べました。
パーシモン→メタル→チタンというゴルフ道具の進歩で、最近のゴルフスィングは出来るだけ体をねじり重心移動をしてパワーを溜めて打つという昔の理論が否定され、体幹がぶれないようにスィングし確実にフェースをボールに当てさえすれば、ボールが飛んでくれるというものに変わってきています。ただこれはこれで難しいものです。人間はスポーツ等で最大限の力を発揮させようとすると、自然と奥歯をかみしめています。有名な話としてかつてホームランバッターとして活躍した読売巨人軍の王貞治さんは、奥歯がボロボロでシーズン終了後必ず歯科医での治療を受けていたというのは有名な話です。人が身体的パフォーマンスを上げるには歯(噛み合わせ)が役立っている訳です。
ゴルフ界では国内男子ツアーの2012年開幕戦「東建ホームメイトカップ」の初日に尾崎直道選手が、ドライバーの飛距離を出すために使用していたマウスピースがゴルフ規則14-3「人工の機器と異常な携帯品、または携帯品の異常使用の禁止」という項に触れ失格となったことがあります。尾崎選手はマウスピースを使用することで飛距離が伸びることを実感していたことになります。マウスピースは公式試合では禁止されていますが、プライベートでは問題が無いと思いますので、飛距離を伸ばしたい方はスポーツ用マウスピースを歯科医で作ってもらうことをお勧めします。