最近の子どもに顔面の怪我が増えている!?(その1)
当院では院長が小学校の校医、副院長が保育園(認定こども園)の園医を務めています。学校や保育園内で怪我が生じると歯科関連のものはまず校医・園医に連絡が入り、かかりつけ医がいない場合や、かかりつけ医が休診の時には当院に来院してもらい、怪我の状況を確認し然るべき処置を行います。
最近その子ども達の口腔に関わる怪我が増えているように思います。直近2か月の間に児童では2件、園児では4件の口腔関連の怪我が発生しました。いずれも転倒時に顔面を地面や何かにぶつけ、結果的に歯(上顎歯が多い)や口唇などの軟組織を傷つけ、養護教諭や保育士とともに駆け込んで来ます。
口腔顔面の怪我は重篤でないものは当院で処置をすることになります。硬組織の怪我には歯牙と骨組織の2種類があります。歯牙の一部もしくは全部が破折する場合、また破折が無いものの歯牙をぶつけた衝撃で神経が死んでしまう場合があります。この場合は1~2か月後に当該歯が黒ずんで来ます。また歯牙を支えている顎骨(歯槽骨)から歯が飛び出す程度により、亜脱臼(不完全脱臼)や脱臼、さらに完全脱落等があります。また衝撃の強さによっては顎骨の骨折もあり、こうなると市中の一般歯科医や小児歯科医では対応出来ず、歯科大学病院などの大きな病院で診てもらうようになります。
このように昔ではあまり見られなかった幼児期小児期の顔面の怪我はなぜ増えたのでしょうか?
(写真は机の角に前歯を強打し歯が破折した小学生)