最近の子どもに顔面の怪我が増えている!?(その2)
近年、子どもが顔から転んで前歯を強打するという事例が増えています。この原稿を書いている30分前にも2歳前のお子さんが転んでマンホールに前歯をぶつけたと、急遽来院されることがありました。前回のブログにも書きましたが、なぜ転んだ際に手が出て顔をカバー出来ないのでしょうか?あるいは転んだ時に手が出たとしても、顔面をホールドする手の力が無く、結果顔面や頭部をぶつけてしまうことになるのでしょうか。後者の原因として、子どもは発育の途上では顔面頭部が重く、バランスを崩して転んだ際には加速度的に頭部顔面をぶつけてしまう、ということも考えられます。また前者の原因として、赤ちゃんの時に「ハイハイ」を十分にしないまま育つことで、上半身特に手と背筋が鍛えられていないという説があります。
発育段階で手が鍛えられていないと、その後の子どもを取り巻く成長過程の中でスプーンやお箸、鉛筆等を持つ正しい動作が出来ない可能性が高まるだけでなく、緊急時に身体の重要な部分を庇うとっさの手の動作が出来ないことにつながります。乳児期には這い這い(ハイハイ)、幼児期には器具を使った遊びを通して、手の筋力を養うことで乳幼児独特の身体アンバランスから来る転倒外傷を防げるのではないでしょうか。
(写真は教室で転んで前歯を床で打った小学生)