舌ガンについて
2019.5.27
最近有名人が病気になりその結果マスコミが取り上げたことで、多くの方がその名前を知り同時に病気の詳細などを知ることになったのは、「舌ガン」と「白血病」です。前回は白血病について述べましたので、今回は舌ガンについて触れてみます。
人間の身体に生じるすべての癌の中で、口腔がんは全体の1~2%を占めそのうち9割が舌癌だそうです。最近の統計ではわが国では年間約6000人が口腔がんにかかり、そのうち約半数が亡くなっています。舌癌の男女比は男2に対し女1の割合で、好発年齢は50歳代後半となっています。
原因として飲酒(特にアルコール度数の高いハードリカーを常飲している方)・喫煙(紙巻たばこ、葉巻、噛みたばこも含む)などの化学的刺激が考えられます。また入れ歯が合わない(義歯不適合)場合や虫歯や歯の破折等の歯牙の鋭縁、咬傷等の慢性的機械的刺激が考えられます。2週間以上治りにくい口内炎があれば、一度歯科医を受診されその後専門医等で組織検査が受けられたほうが良いと思います。
臨床経験38年の私は過去に舌癌の疑いで専門医に送った症例が3例ありましたが、幸いなことに悪性と診断されたケースは一例もありませんでした。
(写真は舌癌を疑って当院に来院された患者さんの舌)