口腔乾燥症=ドライマウス(1)
ここ数年地球温暖化による気候変動で、日本では6月中旬頃から9月中旬頃まで真夏日が続き、真夏には夜になっても30℃を下回らない日が続いて、あたかも日本列島が熱帯地方に様変わりしたかのようです。それに伴い脱水により熱中症にかかる人、特に中高年の方の割合が増えており、環境問題と同じように社会問題となっています。また街角には飲料水の自動販売機がいたるところに溢れ、コンビニも数多く見られることから、喉の渇きを癒すためのペットボトルを簡単に手に入れることが出来、それを手にして街を歩く人は10年前に比べると随分と増えたようです。
確かに脱水症予防のためのこまめな水分補給は、身体の健康を守る上で必要なことです。しかしこれらペットボトルを手放せない人々は、本当に気候変動による気温の上昇から来る喉の渇き、という理由だけで始終水分を補給しているのでしょうか?(何故なら夏以外にも多く見られるからです)
炭酸ガスの排出上昇による温暖化された地球は、陸地が30%のみであるに対し海洋が70%を占め、殆どが水によって構成されています。宇宙から地球を眺めた時に、大気があることで海洋の水分が青く見え、これが地球は「水の惑星」と呼ばれる所以です。太古の昔、水中で生活していた人間の遠い祖先とされる動物は、陸上に上がったことで目覚しい進化を遂げましたが、同時に陸上で肺呼吸を行うことで、水中と異なり身体が乾燥するという現実と向かい合わなくてはならなくなりました。
人体の水分量は成人男子でおよそ60%、成人女子ではおよそ56%といわれています。出生直後の新生児の水分量は約70%であるのに対し、平均寿命死亡時の身体の水分量は約50%といわれており、人間の一生は細胞が乾燥することとの戦いであるとも言えます。今回からしばらく身体の乾燥、特に口腔の乾燥についてしばらく述べてみたいと思います。